日本国政府も何も意味なく海外派遣をしているわけではなく、自衛隊はそれを命ぜられたから任務として粛々と実行しているわけである。しかも丸腰で。にもかかわらず、なぜか日本のマスメディアは、何か隠された陰謀がそこにあるかのように書く。陰謀があるならそのように調べて、ジャーナリズムとして報道すればいいのだが、報道はいつも枝葉末節、現地で交通事故を起こしたとか、そういうことばかりだ。
本書は、著者の趣味もあるのだろうが、ひたすら軍国少年口調で、朝日新聞などの反日マスメディアを揶揄する。冷房の効いた高級ホテルに宿を取るであろう気高い新聞記者様と異なり、本人は、末端の兵士と同じ(かそれ以下の)場所に住み、同じ船に乗る。得られる情報のリアリティに圧倒的な差が出るのは当たり前で、この点も既存大メディアへの批判になっている。
しぶとく今でも社民党の代議士になっている辻本某主催のピースボートご一行様の行状を暴露した部分はなかなか貴重だ。現地におけるインフラ構築のための工事を指して、環境アセスメントを行ったのかと難詰し(p.178)、隊員との対話集会を要望したと思えば、
などと、どう考えても隊員に直接言ってもしょうがないことを言い放って自己満足に浸ったりと、これだけでも、社民党が泡沫政党に堕し、日教組的なるものが国民の大多数から蛇蝎のごとく嫌われる理由がわかろうというものだ。
「従軍慰安婦を派遣するというウワサがあるが」(p.182)
「隊内でコンドームを配っているとか。(相手の隊員を指差して)あなたのポケットにもあるんでしょう?」(同)
戦争を嫌う気持ちはよくわかるが、隣国の少女を拉致したり(朝鮮民主主義人民共和国)、隣の民主主義国への武力併合を明言するような国(中華人民共和国)が存在するのである。 その中で自衛隊の活動をやめさせたらどうなるかは、たとえば、1ヶ月警察の活動を禁止してみて、この国で何が起こるかを見てみたらいいと思う。愚かなことである。
★★★★★ 「ああ、堂々の自衛隊」
- 宮嶋 茂樹 (著)
- 出版社: 双葉社 (1997/06)
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