とはいえ、この本は別に擬態うつ病を目の敵にしているわけでも、擬態うつ病の事例を列挙したような本でもない。むしろ、うつ病についての一般市民の理解と誤解を、うつ病の病理を初等的に解説しつつ、淡々と愚痴ったような本である。具体的事実の指摘に特に目新しいものはなく、やはりこの本の価値は、勇気とプロ意識を持って「擬態うつ病」の存在を明言したことに尽きるだろう。
なお、うつ病患者には読ませるな、のようなレビューもあるようだが、それほど「濃い」本ではないことは今一度指摘しておきたい。気になるようなら、著者の主催するサイトにまず目を通して見ることを勧めたい。
★★★☆☆ 擬態うつ病
- 林公一
- 宝島社新書
- 2001
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