ノートパソコンのハードディスクの取替えに関するちょっとした雑感。
ハードディスクドライブ(HDD)に対するフラッシュメモリ型ディスク(いわゆるSSD: solid-state drive)の優位性がもはや誰の目にも明らかになり、自腹でも換装を志す向きも多かろう。私が仕事で使っているThinkPad T410 (2522) は、かなり重たいことを除けばよくできたマシンで、これまで悩まされてきた問題
- 熱い。手を置く部分が熱くて集中力を削ぐ
- スタンバイ状態に移れない。あるいはスタンバイ状態から復帰に失敗する。
ThinkPadの場合、物理的なHDDの入れ替えは著しく簡単で、10円玉ひとつでHDDを取り出せる。ただ、次の問題がある。
- 今の業務用モデルでは、リカバリDVDが添付されていない。作ることもできない(作成機能がオフになっている仕様) 。だからSSD上にOSのクリーンインストールというのができない。
- HDDには、 Windowsからはアクセスできないリカバリ用の領域が数GBある。それも完全に移行する必要がある。
- セキュリティ上の理由から、外付けメディアへの書き込みを禁止する常駐ソフトが強制導入されており、それを削除する方法がない 。そのため、USB接続でSSDにHDDのクローンを作る、ということができない。
特に第3点の点は深刻で、これのためメールのバックアップも事実上とれない。これらの理由から、換装にはいろいろと工夫が必要である。インターネット上ではなかなか同じ条件での体験談が見当たらず、いろいろ試行錯誤をせざるを得なかった。結論から言うと、下記がすべてのPCにおいて最も安全かつ手早く換装が済む手順である。
準備
- SSDを用意する。フォーマット等は不要。
- USB接続のハードディスクケースを用意する。私が使ったのは「裸族のお立ち台」
- HDDクローン用のソフトウェアを用意する。ここではAcronis True Imageを使う。任意のPCに入れておき、Acronisの「ブータブルCD」(ハードディスクが空でも起動できるCD)を作る。
- 現在使用中のHDDの暗号化は戻し、BIOSのパスワードなどは外しておく。
- ThinkPadにおいて、HDDを取り出し、USB接続しておく。ブータブルCDを入れる。起動させる。
- Acronisのメニューの「ツールとユーティリティ」から、「クローン作成」を選択。クローンの方法としては「手動」を選ぶ。
- データ領域(ThinkPadの場合は"Preload")とリカバリ領域("SERVICEV001”)の双方をコピー元に設定。当然SSDをコピー先とする
- パーティションを確認する。当然、Preloadの容量を増やすように設定。
- クローン作成を実行。数時間かかる(100GB程度のデータの場合、表示では30分程度と出たが、その4倍くらいは優にかかるので注意)
- 終了したらシャットダウンする。外付けのHDDを取り外して再起動
- (ThinkPadの場合)F1を押し続け、適切にBIOSの設定を行う。私の会社の場合、セキュリティ規定に応じて、Power-on passwordとHDDパスワードを設定することが必要(HDDパスワードは画面の下に隠れていることがあるのでスクロール)
- たとえばこういうハードディスクケースを使ってハードウェア的にHDDのクローンを作る。
- Windows上でAcronisなどのソフトウェアを起動し、外付けのハードディスクケースにSSDを入れ、今Windowsが動いているHDDのクローンを作る。
- 別のPCに、Acronisなどのソフトウェアを使って、HDDの中身をバックアップする。次いでそれをSSD上にリカバリする。
- HDDをSSDに入れ替えた状態で、リカバリDVDを使ってリカバリをする
ネット上の情報では、1番目のものの成功例は見当たらず、2番目のものが主流のようだ。しかし今の私の会社の設定では、外付けメディアへの書き込みはOSレベルで禁止されていて、それを解除する方法はないので無理である。3番目のものの成功例もあるのだが、私が試した限りうまくいかない(終了しないか、エラーが出る)。たぶん書かれていないTipsがあるのだろう。比較的確実と思われるのが4番目の手法だが、リカバリDVDを入手する必要がある。リカバリDVDが手元にあるのなら、クリーンインストールの状態になってもよければよい方法かもしれない。
クローニング用のソフトウェアがポイントとなるが、いろいろと情報を総合すると、Acronis True Image Homeがよさそうである。フリーウェアのEseUS Todo Backup というソフトもほぼ同様のことができそうだが、アラインメントの問題や、コピーに時間がかかるなどの問題があるようだ。
最後に、CrystalDiskMarkでベンチーマークしてみた。会社の決まりで、セキュリティ上の理由から、ある常駐ソフトウェアを使って全ディスクの暗号化を求められているため、猛烈に遅い。CrucialのWebサイトによれば、
クローニング用のソフトウェアがポイントとなるが、いろいろと情報を総合すると、Acronis True Image Homeがよさそうである。フリーウェアのEseUS Todo Backup というソフトもほぼ同様のことができそうだが、アラインメントの問題や、コピーに時間がかかるなどの問題があるようだ。
最後に、CrystalDiskMarkでベンチーマークしてみた。会社の決まりで、セキュリティ上の理由から、ある常駐ソフトウェアを使って全ディスクの暗号化を求められているため、猛烈に遅い。CrucialのWebサイトによれば、
- Sustained Sequential Read: Up to 500 MB/s(SATA 6Gb/s)
- Sustained Sequential Write: Up to 260 MB/s(SATA 6Gb/s)
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